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東と西に離れ座すふたり。嗚呼どうか、世界が平和でありますように。
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Yarim, dogum gununuz kutlu olsun.
愛しい人、お誕生日おめでとうございます。
Senin gibisini bir daha bulamam.
世界であなたのようなひとを私は他に知りません。
Seni bene karşılamak için mutluyum.
あなたに出会えた私は幸せ者ですね。
Gelecekte teşekkür ederiz.
これからもどうか宜しくお願い致します。

                    
Japonya
                  
日本

賑わう晴れの日
各地の式典に奔走しひとごこちついたトルコの目に止まった赤い小箱。
こりゃあ日本の和紙じゃねえかと手を伸ばし、箱を開ければ中にはまた小箱小箱小箱。
やっと封筒にたどりつき見つけた一枚のカード。
ぱらと開けば目に入る拙い筆、
型式どおりだがどこかたどたどしい文法、
けれどあたたかな言葉。
彼の人の音ではなく、トルコの音で紡がれた慎ましやかな愛の言葉。

「っしゃ!!」
国中から集められた色とりどりのラーレの花をトルコは両手に抱えあげる。
誰よりこの花を捧げたいひとがいるのだ。
きっと誰よりもこの花達が似合うだろう。

「何か欲しいものはありませんか?」
「あんたより他に望むもんなんかねえさ。」
「またそんなことを…。」
呆れた顔で日本は続けた。
「あなたのものをあなたにさしあげるなんてそんなおかしな話がありますか。」
「…はは!違ぇねえ!」
心から浮かれて笑いながら、腕に彼のひとを抱きしめたのは一月ほど前になる。

欲しいものに嘘はない。
あんたのカードが一番嬉しくて、一番欲しいものを堪えられなくなった。
どうか聞かせてくれあんたの声で、俺の耳に。
あの優しくて型式ばった生真面目な、愛の言葉を。

いまも百万の咲き誇る花を抱えながら、胸に抱く花は漆黒の彼の瞳。
そう、咲き誇るラーレに囲まれ笑う彼こそ花だ。
その笑顔が見たい。

脳裏に描く思い出ではなく、いまそこに手の届くところにある彼が欲しい。
どれだけ彼を愛しても愛されても、愛するほどに愛されるほどに欲しくなる。
愚かだと思う叶うことが夢のように思う、恋に狂っているのだと自覚している。
けれど、そんな貪欲な恋情を受け止めてくれる愛しいひと。
会いに行く、会いに行けば驚くあんたはきっとこういうだろう「式典はどうしました」、困った顔で溜息をつくかもしれない。けれど、笑うのだラーレの花を抱きしめて頬をそめて笑ってくれるのだ。
だって今日は俺の晴れの日なのだから。
嗚呼そうだ笑ってくれ、俺の花。
この世で唯一俺を狂わせる、誰より愛しい甘い災い。



終。

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装甲悪鬼村正 二〇〇九年一〇月三〇日、物語がはじまる。

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