忍者ブログ
東と西に離れ座すふたり。嗚呼どうか、世界が平和でありますように。
| Admin | Write | Comment |
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

※ろくでもないのは私です。 
※我慢できなかったとです

※ほんとに不謹慎ですみません…

※あ、実在する全てと無関係のフィクションですよ、もちろんっ



「すみません、あなたとあなたのうちの方々のご好意を頂きながらそれを無為にしたばかりか、私が動くことすら許されておりません現状、お伺いすることも止められました。だから貴方をお呼びだてすることに…本当に…お詫びの言葉もありません。」

手をついて深く頭を下げる日本に、眼前のトルコはそわそわと手を組んではほどき、落ち着かなげに頭をかいた。

「あ、いや日本、そんなお前ぇ…。」


愛しい相手からの珍しい個人的な呼び出しに喜び勇んで来てみれば、生真面目な彼らしい呼び出しの理由。
件については、まあ、もちろん腹立たしく無い訳ではないが彼の気持ちも言葉もとてもありがたいく、受け入れるのに否はない。
惚れた相手に頭を下げられれば許してしまうのが男心だ、謝罪する相手を更に責めたてる程小さな男でもない。
しかも、今回は自分が下心満開で訪ねてしまった為か居心地悪くそわそわと落ち着かない。
甘い何かを期待してきた身としては、なんとも言えないもどかしさである。
あーうーと珍しくも言葉を探しているらしいトルコに、それでも日本は頭を上げない。

ままよ、とトルコは畳にぴたりと貼りついていた日本の手を取り握りしめた。
日本は誘われるまま顔を上げ、トルコの熱っぽい視線を正面から受け止めてしまい、慌ててうつむいた。


「なあ日本、人ってやつぁどうしようもねえ。良くも悪くも変わるし変わらねえし、俺たちにゃどうしようもねえ。
そんで、恋ってやつも同じくれぇどうしようもねえんだ。
だから、顔を、上げてくれねえか。」


トルコは目の前の小さな頭に口づけた、柔らかな髪からは淡く懐かしい匂いがする。
ぴくと震え日本はより頭を下げた。

「あんたにそんな事させちまう俺もあんたんちの連中も、俺ぁ、その、堪らねえんだ。」
なあ頼むよ、と吐息混じりにこぼせば、日本はようやく顔を上げた。

トルコはとても穏やかに笑いかけ、赤く色づいた日本の頬を撫でた。
目を伏せ、それでも逃げない愛しい人にトルコは安堵する。
そのまま、乾いた唇を指でなぞれば、誘うように開かれた。

誘われたなら、行かねばなるまい。愛しいひとに惑わされて何がいけない、全てこの身に巣くう恋が悪い。
けれど父である英雄にだけは不謹慎を詫びながら、トルコは日本の唇を肌を堪能した。

本当に、恋というのはどうしようもない。

拍手

PR
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[115] [114] [113] [112] [111] [110] [109] [108] [107] [106] [105]
装甲悪鬼村正 二〇〇九年一〇月三〇日、物語がはじまる。

Copyright c ぎゅねしむ。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Template by カキゴオリ☆ / Material By はながら屋
忍者ブログ [PR]